【DIR EN GREY】デビュー20周年!1st ALBUM GAUZE【レビュー】
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先日、1月20日にメジャーデビュー20周年を迎えた、日本を代表するロックバンドDIR EN GREYのファーストアルバムの"GAUZE"の紹介をしてみようと思います。

このブログでは、記念すべきCDレビュー第一弾の記事になります!

 

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GAUZEについて

 

 

発売日 1999年7月28日

 

現在、日本だけではなく世界でも活躍するX JAPANのYOSHIKIプロデュースのもと、シングル三枚同時リリースという異色なカタチでメジャーデビューを飾ったDIR EN GREY。そのおよそ半年後にリリースされた彼らのメジャーファーストアルバム。

インディーズからの彼らの音楽性の集大成がこのアルバムには納められています。

ブックレットも凝っていて、曲を象徴するようなイメージと短い詩が、より本来の曲の持っている雰囲気を際立たせるように思います。(ちなみに、この手法は黒夢のアルバムの「迷える百合達」から着想を得たのかな?)

当時中学生だったぼくには、これがものすごく怖く不気味に感じました。

そういうった意味では、ぼくはまんまと彼らの思惑に引っかかったうちの一人と言えます(笑

 

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GAUZE 収録曲レビュー

 

1. GAUZE -mode of adam-

 

怪しい金属音から始まったと思いきや、すぐに京の英語カウントの呟きと同時にアコーディオンのメルヘンな音色が入ります。これは終演後の誰もいない遊園地のような不気味さを想起させますね。クレヨンしんちゃんのヘンダーランド的な(笑

そして上記の展開を経て、四つ打ちのドラム、うねるベースライン、ギターノイズとシャウトで狂った雰囲気を作りあげ、このアルバムは幕を開けます!!

 

2. Schweinの椅子

 

Schweinというドイツ語単語をこの曲で覚えたという人は自分だけではないはず!

知っているにもかかわらず、この単語をドイツ人の友達に言ったことはまだありません(笑

曲の方はというと、シャウト部分の歌詞もドイツ語が散りばめられております。

Geistは精神、Seeleは魂、Willeは意志、Zelleは独房と言った意味らしいです。

つまりは、精神病棟に幽閉されているヤバい人をこの曲では表現しているのでしょうか。

疑問なのが、インターネットが今ほど普及していない当時、どうやってこれらの単語を歌詞に起用したのかというところ!そこかい!っていう(笑 紙辞書片手にこれらの単語を見つけたとしたら、なんか微笑ましいですね!

当時は英語の辞書ひいても上記の単語は載ってなかったので、意味も分からず聴いていました。

Dieのハーモニクスが効いたギターフレーズが印象的で、曲全体を通して毒々しい印象を受けます。

サビ後の「スピード上げて〜」の疾走するところか、どこかパンク的。

個人的にこの曲聴くと、なんかスカッとします!!

楽曲を通してのオセオセ!的なノリ、シャウトの絶叫感が好きです。

 

3. ゆらめき

 

前曲おわりのささやき「eins zwei drei vier」から間髪入れずに曲が始まります。この曲間、最高です!!

メジャーデビュー三部作のうちの一曲で、ヴィジュアル系の王道?とも言える疾走感とキャッチーさが耳に残ります。

京曰く、その三曲のうちで一番「痛い」のがこの曲とのこと。

確かに、詩の表現もストレートで、リアルさと言った意味では一番イメージしやすく感情移入がしやすいかも。

起承転結でストーリーがはっきりしている詩だからでしょうか。

ちなみに、初めてGAUZEを聞いたとき、Schweinの椅子を聴き終えた後、この曲のキャッチーさに安堵感を覚えたのが今ではとても懐かしいです(笑

 

4. raison detre

 

まず、フランス語を嗜んでいるので言わせて頂きたい!!

なぜ、raison d'êtreじゃないのかと!!

それはさておき、シンセ音から始まるこの曲はDIR流の踊れる曲的な感じが見受けられます。

この曲はギターのカッティングやソロも目立つのですが、全体を通して、ベースも結構耳に残ります。イントロのベースフレーズがキャッチーで、サビ裏のベースとか結構動いていてコピーしたら楽しそうだなと。

 

5. 304号室、白死の桜

 

この曲すごい好きです!

ドラムは全体的に手数が多く、1番のAメロ終わりからのDieのハーモニクスを利かせたギターフレーズが印象的で毒気を出しています。

サビで表打ちになるドラムとメロディー展開が曲の広がりを感じさせます。

音域もメロディも京の声の良さをスゴい引き出しているなと。

今でこそハイトーンのイメージが強いですが、彼の良さを存分に引き立てるのは中域の力強い部分だと思います。ムリのない自然な声っていう意味で。

Dieはこの曲の収録に当たってアコギでレコーディングに臨んだ際に、エンジニアから「アコギのレックはまだ早い!」と言われたとか。

 

6. Cage

 

オルゴールから始まるメロディアスなナンバー。

詩は虐待がテーマなのでしょうか。

解釈についてはよく分からないので保留しますが、baiser(口づけの意味)というフランス語が出てくるのが個人的に気になります(笑

途中のベースソロが当時のぼくにはスゴい新鮮でした。

ギターソロじゃなくてベースソロなのか!と。

ヴィジュアル系ベーシストは多くの方がこのフレーズをコピーしたのでは?

 

7. 蜜と唾

 

久々に聴いたらイントロの語りにゾクッとしました(笑

蜜と唾を反転させて「罪と罰」とするって凝ってますね〜フツウ、中々思い浮かばないですよ!

詩はインディーズ時代の「惨劇の夜」の続きとリンクします。

ブックレットに添えてある短い詩部分にも「惨劇の夜」と記載されています。

詩中の「Q+II」 はクイーン(トランプの12)+2=14、「Kissless Kept」は薬漬け、「Mad Yet Kool」は麻薬になります。

これらの隠喩はレコ倫対策でしょうか。

曲が進むにつれて京の歌い方がシャウト混じりで激しくなっていきます。

DIR流クリスマス?ハードコア、パンクナンバー。

 

8. masohyst of decadence

 

この曲のレビューを書くにあたり、何年ぶりか分からないぐらいに一曲通して丸々聴きました(笑

人工中絶というテーマだけあって、曲に聴きやすさは皆無。

DIRの中で一番聞き辛い曲と言っても過言ではないです。

ゆっくりとしたテンポの中、赤ちゃんの泣き声や不気味な語りやシャウトが入るので、余計に聴きづらさとダルさを際立たせています。

正直、聴いたあとは後味の悪い映画を見たような感覚に陥ります。

この曲だけはどうしても苦手だ!って方、多いんじゃないでしょうか。

今聞いても不気味さがあります。

次にフルで聴くのはいつになることやら・・・。

そんな曲です。

 

9. 予感

 

重たい前曲を聴いてからの、この曲のきらびやかなアルペジオは聴く者をホッとさせます(笑

個人的にLUNA SEAの「ANUBIS」を連想させる曲。

すごい似てるとかそういうのではなく、曲の雰囲気やテイスト的に。

一説によると、アメリカの猟奇殺人鬼ジェフリー・ダーマーをモチーフにした詩だとか。(定かではありません)

そうであれば、彼は17人の青少年を絞殺したので、詩の「18人目の君」というのもつじつまが合います。

そんな残虐さを感じさせないぐらいに曲は聴きやすく、メロディはキャッチーでとても爽快です。

Aメロ、Bメロともに、左右に広がる薫とDieのギターの掛け合いが良いですね。

全体的にベースが動いていてToshiyaらしいベースラインだなと。

 

10. MASK

 

曲冒頭の英語の演説は以下のようです。(Youtubeの字幕機能より)

While its members have promised us peace, they have led us to war, heedless of the platform upon which they were elected.

「選出されたそのメンバーは我々に平和を約束したが、彼らは戦争へと誘った。彼らがいる演説台には耳を傾けないことだ」

この記事を作成するにあたり、訳してみました!

なるほど、こんな意味だったとは。これはアメリカ人の演説なのか?

とにかく、冒頭の演説、詩からも戦時中が曲の背景にあることは確かです。

詩には独裁主義と出てくるのでヒトラー、ムッソリーニ、スターリンなんかを連想させますね。

「ヒルを飲ませて」ってところはナチスの人体実験とかそういう類のような。

また、「アルミの羽」っていうのは飛行機の比喩で、「鬼の居ぬ間に地面に早く落ちよう」ってありますし、特攻隊のことを指しているんじゃないかと。

軽快なリズムとギターのチャカチャカ鳴るギターのカッティングが新鮮。

だけど決して軽すぎず、DIRっぽくなっているから不思議。

アウトロの展開は遊び心を感じます。

 

11. 残-ZAN-

 

言わずと知れた、泣く子も黙るどころかより泣いてしまうであろうキラーチューン。

これを当時、メジャーデビューのシングルで出すってスゴいことだと思います。

昔、まだDIRを聞き慣れていない頃は、この曲がCDで回ってくるたびにドキドキしてたのが懐かしいです。

それだけ、中学生を怖がらせるホラー要素があります。当時は構えて聴いてましたね(笑

詩の「残酷絵」の部分は「いにしえ」と叫んでいると聞いたことがありますが、どうなんでしょう。

MVに出演している奇妙な人たちは「演劇実験室◎万有引力」の方々。

後に再構築されますが、個人的にはこちらの方が好み。

京のシャウトが痛快です。

 

12. アクロの丘

 

メジャーデビュー三部作の中でも、このアルバムの中でも一番好きな曲です。

アクロがアクロポリスの略であることは有名ですね。アクロポリスとは「古代ギリシャの城塞」を意味します。決して悪路ではないのです(笑

イントロの風?の音と調和するかのようなアコギの響きがとても良く、コード感もとてもキレイで、曲全体を通して澄んだイメージがあります。

また、そのイントロのせいなのか、広いところにポツンと佇んでいるような静けさを感じさせます。

そのため、誰も活動していない時間帯、真夜中もしくは早朝の三、四時(要は太陽が出る前)に無性に聴きたくなります。

曲は8分以上ありますが、不思議とその長さを感じさせません。

ベースソロ、ギターソロと聴きどころも満載です。

この曲が完成して、YOSHIKIは薫に「良い曲を作ったね」と言ったとか。

このレビューを書いていると、また聴きたくなってきます(笑

 

13. GAUZE-mode of eve-

 

前曲から繋がるインスト。

インストと言っても、耳に残るのは、京のカウントと最後の流し台に吸い込まれていくような音っていう(笑

 

GAUZE 総評

 

メジャー1stアルバムということで、今のDIRの音楽スタイルからは大きくかけ離れていますが、彼らのもつ激しさやメロディアスといった部分の原点はここにあると言えます。

この頃はシングルのタイアップがあったりとメディアにも割と露出していましたが、シングルの期待をしっかりと裏切ったアルバムになったと思います。(いい意味で)

また、メジャーに行って途端に売れ線に走るバンドが多い中、変わらず尖っている彼らの姿勢がしっかりと表れています。

 

まとめ

 

このアルバムを今でもたまに聴くのですが、そのたびに10代の頃を思い出します。

中学生の頃なんてほぼ毎日聞いていたので、思い入れもあります。

ちなみに初めて、ぼくが聴いたDIRのアルバムはGAUZEではなく、次作のMACABREです。

以上、GAUZEのレビューでした。

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